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三線の話④ ~三絃の役割と解釈~ 伊良皆高吉 投稿日:2013年11月24日 23:22
三線の話④ 三絃の役割と解釈 沖縄県立博物館に所蔵されていた「三味線之説」という漢文資料がある。島尻勝太郎氏の補訳文の中から、今回は手と絃に焦点を当て、私(伊良皆)の解釈を織り交ぜながら紐解いてみよう。 ・三線を弾く場合の奏者の手について 左手は上部(天)に位置し、治める立場の者、君主と意する。右手は下部(地)に位置し、治められる立場の者、民と意する。三線を奏でる場合、下部の右手が主導するのであって、上部の左手の役割は、右手の欲する音を発するために働くことにある。 (三線をお持ちなら、試してみてほしい。左手だけでは打ち音がかすかに聞こえるだけで、調べにはならない。一方、右手だけでも第一絃、第二絃、第三絃、各々の解放音が鳴り響きそれなりの演奏は可能である。) ・三本の絃の呼び方と役割 沖縄では、第一絃を男絃(ウージル)といい(君主等、治める者)を意する。第二絃を中絃(ナカジル)といい(役人等、実務に携わる者)を意す。第三絃を女絃(ミージル)といい(民等、治められる者)を意す。 ・絃の奏で方 第一絃(男絃(ウージル))は人の上に立ち、国或いは社会を治める立場の者であるため、間違った音や濁った音を発することは許されない。常に正しい音、清々しい音を発することが求められる。第二絃(中絃(ナカジル))は実務に携わる者として、絶えず第一絃と第三絃に心を配る必要がある。特に、民に当る第三絃に対しては、労わりの心をもって弾くことが大切である。第三絃(女絃(ミージル))はやさしく弾くことによってより美しい音を発せられるのである。 これらを心に留めることにより、三線は美しい調べを奏でることが叶うのである。 |