沖縄ジジ通信
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まるまぶんさん節 解説 伊良皆高吉 投稿日:2013年12月07日 23:04
まるまぶんさん節 ①まるまぶんさんゆなゆな見りば 風ぬ根を知ち居ちゅる白さい 【訳】まるまぶんさんを夕方ごとに見ていると 風の方向を知って木に座っているシラサギよ ②あだて うふだてうかりに 下原 真山 浮道 成屋 船浮 【訳】あだてぃ うふだてぃ うかりに すんばれ まやま うきみつぃ なりや ふなうき(集落及地所の名称) ③祖納津口ぬ見しん木ぬ上に 魚ゆまつんで 居りるあたぐや 【訳】祖納津口に立ててある道標(みちしるべ)の木の上に 魚を捕ろうとして座っているウミウ(海鵜)よ ④ぱなりみじゅ漕ぐ舟々見りば 声ゆならびて艫ぬ歌音 【訳】パナリミジュを漕ぎ渡る舟々を見れば 声を揃えて櫂をこぐかけ声よ 啉 エイヤラ ヤンザー サヱーヱイヤー ハリバ サヌシ ヒヤ マッタン タムヌ ジュ エイヤラ=掛声 ヤンザー=※この場に存在するもの達(まるまぶんさんをはじめ舟を 漕ぐ人々、登場する鳥達、村々、島々、親しいもの達を指す) サ、ヱーヱイヤー=掛声 ハリバ=走れば(舟が) サヌシ=サニシャ=嬉しい、楽しい ヒヤ=※喜びを表す時の気合(掛声) マッタン=マタン=更に=特に タムヌ=焚物=薪(本場祖納村ではタムヌと歌っている。一般的にはタヌム=タノムと歌っているが疑問である。私は本場祖納の歌を解説した) ジュウ=薪を割ったときバッサリ、パッと心地よく割れた時にジュウと音が聞こえる ※特に木目が素直なスタマ木や椎の木、タモの木等の生の若木の場合は格別である。 ※幸いにして少年期に薪割で家計に役立ていた経験をもとに 説明を加えると、木を根の方を上にして立てて、斧を振り 下ろして当てた時一発でパサッ(ジュウ)と割れた時など 例えようのない嬉しさを感じ、誇りに思う程愉快である。 ※啉を集約すれば 歓喜に満ちた掛声は島人達の勤勉さを表し、自然情景は島の 豊かさを表し、誇り高く謳い上げており、愛郷の心が伝わってくる 歌詞並びに訳については石垣金星著「西表島工工四」を引用、啉については参考にした。※は伊良皆髙吉の解釈 |